窯業系サイディングとは?
セメントに木質系繊維を混ぜ込んだものを、外壁材として使いやすいようにボード状にしたものです。
モルタルは塗り重ねていきますが、それとは違い貼り付けて施工していきます。
また、サイディングには窯業系、金属系、木質系、樹脂系という種類があります。
その中でも窯業系サイディングは、外壁材全体の中でシェア率が一番高いです。
窯業系サイディングの特徴
メリット
・豊富なデザイン、カラー
・初期費用が安く済む
・耐火性に優れている
窯業系サイディングは色や形のバリエーションが豊かで、様々なデザインに施工が可能で、レンガ調・タイル調・石目調など、デザインの種類が豊富で、選択肢が多いという良さがあります。
工場で大量生産されており、品質が安定しているため、他の外壁材よりも価格が安い傾向にあります。
窯業系サイディングは耐火性が高く、不燃材料として国から認定されている製品もあります。
デメリット
・防水性がない
・メンテナンス頻度がやや多い
窯業系サイディングの主原料であるセメントは、防水性のない材質です。窯業系サイディングの防水力は表面の塗装によって保たれているため、塗膜が剥がれてくると防水性が落ちてしまいます。
表面に塗布されている塗装や目地を埋めているコーキングは、おおよそ8~10年ほどで寿命を迎えます。また、サイディングボード事態にひび割れ、反り、浮きなどの劣化症状が生じることがあります。
そのため、8~10年に一度を目安に再塗装やコーキングの打ち直しなどを検討する必要があります。
どのように劣化が進む?
① 反りの発生
表面は意匠性やデザイン性によって、模様などがつけられているが基本的には平らです。
他の部分と比べて盛り上がっているように見える場合は、反りが発生している可能性が高いです。
② 反りが大きくなり、浮き始める
反りが大きくなると、他の部分よりも出っ張って浮いたように見えます。
サイディングが浮いてしまうと、目地のシーリングが剥がれ、他のサイディングボードとの隙間ができてきます。
隙間から雨水が入ることで、他のサイディングボードへも悪影響をもたらします。
③ ひび割れの発生
窯業系サイディングは釘やビス、金具で固定されています。
反りなどの変形が大きくなると、釘などで固定された部分に強く力が加わり、クラックが発生します。
クラックが発生すると、金具の固定力が弱くなり、金具の固定力が弱くなると釘やビス、金具が抜け落ちたり、サイディングが外れてしまう可能性があります。
一枚のサイディングの真ん中から割れることは少なく、釘やビスが打たれている周辺から割れることがほとんどです。
割れが大きくなってしまうと、強風や揺れなどでサイディングボードが落下する可能性があるのですぐに補修が必要です。
雨水が浸み込むとその分膨張し、乾燥すればその縮む。
それを繰り返し続けることで反りや浮き、クラック割れへと進行してしまいます。
窯業系サイディングはこのような雨水の浸入を防ぐため塗装されていますが、月日が経つと塗装による防水性は落ちていきます。
また、シーリング材が剥がれるとそこからも雨水を吸収していき、さらに、釘やビスによる穴が適切に補修されていないとそこからも雨水を吸収します。
メンテナンス方法
窯業系サイディングの塗装
反り返りが少ない場合は釘やビスで固定をし、その上から浸水しないようにシーリング材を塗布します。
さらに、外壁と同じような塗料で塗装し、目立たないようにしていきます。
塗装の時期は、10~15年が目安です。
サイディングのなかでも窯業系は、セメントと繊維で作られており、外壁材自体には耐水性がないため、塗膜が劣化することで防水性も低下してしまいます。
定期的な塗膜の点検で、外壁を長持ちさせましょう。
窯業系サイディングの部分張り替え
反り返りが大きく、釘やビスで固定すると割れてしまう場合は、部分的な張り替えが必要です。
反っている窯業系サイディング周辺のシーリング材をはがし、新しいものに交換します。
同じ模様のデザインが残っている場合は同じものに変えることができますが、モデルチェンジしていることも多く、近いデザインを選ぶことになりますが、全体でみると違和感を感じることもあります。
そうなる前に外壁塗装でメンテナンスすることがオススメです。
ひび割れが大きくなりすぎていたりなど、劣化が進んでしまうと塗装では間に合わなくなってしまいます。
そうなってくると、張り替えやカバー工法が必要になり、費用も高くなってしまいます。
そうなる前に、適切なタイミングで、点検・メンテナンスを行い、お家を長持ちさせましょう。